Vinepro
GUIDE

「安いから」で現地の制作会社に頼むと、なぜ高くつくのか — ベトナムの制作会社の5つの弱み

「ベトナムで作れば安い」——人件費と機材費だけ見ればその通りです。ところが現地の制作会社に直接頼んだ日本企業から、あとで私たちに相談が来るケースが少なくありません。撮り直し、日本での編集し直し、結局使わなかった動画。合計すると日本で作るより高くついている。原因は見積りの金額ではなく、ベトナムの制作会社が持っている構造的な弱みにあります。VINEPROは同じベトナムで14年、ベトナム人スタッフと一緒に動画を作ってきた会社です。だからこそ、その弱みがどこから来るのかを具体的に書けます。この記事は現地の会社を下げるためのものではなく、「何を分かった上で頼むべきか」を整理するためのものです。

弱み1:段取りが悪い

撮影日の朝に「今日どこで何を撮るか」が決まっていない。香盤表がなく、出演者の集合時間がばらばら、機材が足りないと分かってから取りに戻る。日本の現場では考えられない進行が、ベトナムでは珍しくありません。結果、1日で終わるはずの撮影が2日になり、クルーの拘束費と日本側担当者の滞在費がそのまま増えます。

これは個人の能力の問題というより、国民性です。ベトナム人はスケジュール管理が苦手です。基本的には真面目な人たちで、他の国と比べれば勤勉なほうですが、南国らしいおおらかさがあり、日本と比べるとびっくりするほど計画性がない場面に出会います。裏を返せば日本人が真面目すぎるとも言えます。どちらが優れているという話ではなく、違いです。ただ、納期と予算が決まっている企業案件では、その違いがすべて費用に化けます。

早朝のメコンデルタで小舟を漕ぐ人
南国らしいおおらかさは、この土地の魅力でもある。ただし企業案件の納期とは相性が悪い

弱み2:思った通りに作ってくれない。自己主張が強い

絵コンテと参考動画を渡して「この通りに」と頼んだのに、上がってきたものが違う。指摘すると「こっちのほうが良い」と言われ、修正しても次の稿でまた自分の案に戻っている。日本の担当者が一番消耗するのがここです。

ベトナムのクリエイターは、自分の作風への自信が強い人が多い。それ自体は悪いことではなく、自社で企画から作る動画ではその主張が武器になります。ただ、クライアントの意図を汲んで「言われた通りに、言われた以上の品質で」作る受託の作法とは相性が悪い。日本語で細かいニュアンスを伝えられないことが、さらに溝を広げます。

弱み3:BGMと画作りのセンスが古い

派手なトランジション、光が飛ぶエフェクト、10年前のテレビ通販のようなBGM。「見栄えを良くしよう」とする意欲はあるのに、その基準が今の日本のビジネス動画からずれています。日本の担当者が見ると「なんか安っぽい」と感じる。その理由を現地側に説明しても、感覚の違いなので伝わりにくい。

結局、日本で編集をやり直す。撮影は安かったのに、編集費が二重にかかった。これは私たちが実際に何度も引き受けてきた作業です。

弱み4:目的意識がない。見栄えのいい映像を撮って、意味のある動画を作らない

これが一番大きい弱みです。ドローンで工場の全景を撮る、社長が立派な椅子で語る、社員が笑顔で歩く。映像としては綺麗です。でも「この動画で誰に何をしてほしいのか」がどこにもない。採用なのか、展示会で足を止めさせたいのか、取引先の稟議を通したいのか。ゴールから逆算して構成を組む習慣がないので、綺麗だけど何も起きない動画ができあがります。

動画の費用は、作った金額ではなく「その動画が何を生んだか」で決まります。25万円で目的に合った動画は広告費を何倍も節約し、目的のない動画は0円の価値にしかなりません(費用ガイドでも同じことを書いています)。安く作って使われない動画が、一番高い動画です。

サイゴンのカフェのテーブルに散らばるベトナムドン紙幣
見積り書の外側で、お金は静かに増えていく

弱み5:結果として、安く頼んだはずが高くつく

ここまでの4つが重なると、費用はこう膨らみます。

  • 段取りの悪さで撮影日が延び、拘束費・滞在費が増える
  • 意図と違うものが上がり、修正のやり取りで日本側担当者の時間が溶ける
  • センスが合わず、日本で編集し直す費用が乗る
  • 目的に合わない動画は使われず、制作費そのものが無駄になる

見積り書の数字は確かに安い。でも請求書の外側にあるこれらの費用を足すと、日本の制作会社に頼んだ場合と変わらないか、それ以上になります。しかも日本の担当者の疲弊は金額に出てきません。

なぜこうなるのか

ベトナムの映像業界は、結婚式・ミュージックビデオ・広告代理店の下請けで育ってきました。自分の作風で撮ることには慣れていますが、クライアントの事業目的を聞き出して構成に落とし、指示された通りに仕上げる経験が少ない。そこに、計画より現場を優先する国民性が重なります。加えて、日本企業側の「当たり前」(納期・修正回数・トンマナ・稟議で通る品質)が言語化されて共有されることがほとんどない。悪意も手抜きもなく、構造と文化の違いとして起きています。

VINEPROはどこが違うのか

私たちも同じベトナムで、ベトナム人のクルーと作っています。撮影の腕、機動力、コストは現地の会社と同じ土俵です。違うのは、その上に日本人のディレクター・カメラマン・編集者が常駐して、段取り・目的設計・画づくりの基準を日本側で握っていることです。

  • 段取り:香盤表・ロケハン・許可取得を事前に固めてから当日を迎える(撮影許可ガイド)
  • 意図の共有:打ち合わせは日本語。絵コンテと参考動画を現地クルーに翻訳して落とし込むのは私たちの仕事
  • センス:テレビ番組のロケ・中継(マツコ会議、有吉の世界同時中継)やALSOKのCMで通ってきた、日本の放送・広告基準
  • 目的設計:認知・集客・採用・展示会——ゴールから逆算して構成を組む。STXの展示会用工場PRは「音なしで足を止めさせる」という目的から構成しています

最安ではありません。現地の格安業者より高く、日本の制作会社をベトナムに派遣するより安い。その差額が「撮り直しと編集し直しと使われない動画」の保険料だと考えると、たいてい安く済みます。ベトナム人向けの動画では、現地の感覚を分かった上で目的から設計することがさらに重要になります(ベトナム人向け動画の作り方)。

現地の会社に直接頼むなら、最低限これを確認する

それでも現地の会社に直接頼む選択はあります。その場合は、発注前にこの5つを確認してください。答えが曖昧なら、上の弱みがそのまま出ます。

  1. 撮影日の香盤表(時間割)を事前に出してもらえるか
  2. 絵コンテ・参考動画の通りに作ることを約束できるか。修正は何回まで含まれるか
  3. 過去の企業案件のサンプルを見て、BGMと編集のトーンが自社の基準に合うか
  4. 「この動画の目的は何か」を向こうから聞いてくるか
  5. 日本語で進行できる人が現場にいるか

金額の目安は費用ガイドにまとめています。現地に頼んで困った案件の立て直しも含めて、まずはご相談ください。

← ブログ一覧へ戻る
動画制作・SNS運用のご相談はこちら

ベトナムでの撮影・制作・SNSプロデュースを、日本人ディレクターが一貫対応します。お見積りは無料です。

無料で相談する
© 2026 VINEPRO Co., Ltd.